「パイパー」

今日もまったり家族四人とも家にいて
WOWWOWで野田秀樹の舞台「パイパー」をみんなで観た。


本当はナマで観たかったんだった。時間もお金もなくて行けなかったけど
今日観られて良かった。



松たか子宮沢りえの演技と演技のぶつかり合い、あるいは融合、もしくは化学反応。
うまいとは思っていたけどこれほどとは。
特に松たか子の舞台は今までにもテレビ中継で何度か観たことがあったけど
宮沢りえをきちんと観たのは今日が初めてで
勝ち気な姉から、食堂のおばちゃんやなんと4才の女の子まで
すごい。
またこれを受けるのが松たか子だからこそ、できるんだよね。
今まで心優しい妹だったのに、
りえが4才の女の子になったとたん松も瞬時にその母親になる。
この二人じゃなかったら、相手役を食ってしまうし、殺してしまう。それほどの演技。
このキャスティング、さすが野田秀樹
(改めて貴ノ花と結婚しなくてヨカッタよ、これは日本の演劇界の宝だよ、と思った。)


そして、この芝居。
遠い未来の、地球から移住した火星に住む火星人となった人類を描く劇。
夢の遊民社の芝居を観に行ったことがあったけど
そのときより、わかりやすい。
きっと私も野田秀樹も、大人になって、いろんなことを知って
どこかがまぁるくなったっていうことなのかもしれないって思う。
この野田秀樹スピルバーグ宮崎駿も、生きていたらきっと手塚治虫
みんな同じことを考えている。言っている。叫んでいる。
人は、このままでいいの?
消費し続け、利己的で、刹那的で
どうして遠い未来に一つも思いを馳せずに
今しか見ずに生きられるの?
そう言われた気がした。


やっぱり舞台って面白いし、(テレビで観てさえね)
舞台でなければ作れない世界や伝えられないキモチがあると思う。
テレビじゃだめで、映画でもなくて
やっぱり舞台。
演る方にとってはそれは一番ドキドキして、プレッシャーは尋常じゃなくて
観る方だって気合いを入れて
時には全然理解できずに置いて行かれたりもするんだけど
それにお金だって時間だって、一番使うわけだけど
それでもやっぱり舞台はいい。


もっと観たい。もっと関わりたい。
そう思った。