ダイヤモンドみたいな一瞬
羽田空港の青い光。海外に行ってしまう親友を見送った夜。
自由が丘のデート。別に特別なことをしたわけじゃないのに
なぜか「幸せ」っていう単語とセットになってる思い出。
4月8日の雨。濡れて帰った夜。
悲しくて悲しくて、夕飯、レタスしか食べられなかった。
赤ちゃんだった長男と見た桜。
世界で一番幸せだと思えたくらい、全部がきれいで好きだった。
次男が生後二カ月ステイしたNICU。
小さすぎて可愛すぎる次男。
海水浴。ほおずき。こたつのみかん。スキー。
大学の生協。自主映画。マック。ウェンディーズ。
団地。ベランダのビニールプール。おもちゃのピアノ。
海で、遠くを泳いでて、いなくなってしまいそうな父。
砂浜で見ている私達。海の塩味。
漢方医の先生。緑ヶ丘の和菓子屋さん。薬局のおばさんの優しさ。
そういう、ダイヤモンドみたいな瞬間瞬間の積み重ねで
私、という人間の人生が作られてゆく。
全部は覚えていられなくても
いくつかの、忘れられない瞬間がある。
幸せな瞬間だったり、悲しすぎる瞬間だったりもするけど
共通するのは、それを思い出すのが好き、ってことなんだろうな。
つまり、悲しいことだったとしても
好きだった瞬間ならそれを、
くりかえし取り出すし、だから忘れないということ。
これからいくつの、そんな瞬間をもつことができるだろう。
うん。
楽しみだ。