夏休みの交友録2 (友達はタイムマシン)

夏休みに入ってから、
毎週、様々な友達に会っている。
先週は転勤した方々とディナー。
今週は中学時代、一番親しくしていた友達とその元彼。




中学時代のその親友とは
中一で同じクラスになって以来
3年間ずっと仲良くしていて
同じ子を好きになったりもした。
彼女が父の海外赴任のブラジルについて行ってからは
エアメールでやり取りをして
私は、自分の知らない世界を
このやり取りからずいぶん教えてもらった。
ブラジルっていう国のこととか
リオのカーニバルのとき学校が休みになることとか
インターナショナルスクールの空気感とか
書き慣れた子が書く英単語の可愛らしい文字とか。


大学で帰国したときも1,2度会った。
今思えば、
帰国したあともきちんと定期的に会えばよかったんだけど
その頃の私は多分、気後れしてた。
こんな平凡な私なんかじゃつまらないかな、とか
それこそつまらないことに囚われて
疎遠になってた気がする。
ほんの少し、同じ彼を好きだったことも
引っかかってたかもしれない。


何となくずっとそのままになってた。
彼女は国際的な仕事に就き
その後25年以上日本を離れてた。


風の噂で知ってた。
すごい大きな仕事をしてること。
教室でよく、生徒に話してた。
すごい友達がいるんだって。
今は会えないけど誇りに思ってるって。


闘う場所のスケールは全然違うけど
彼女のことを思って
私は私の場所でがんばろうって思うこともあった。



彼女が日本に帰ってきて
同窓会をきっかけにして再びコンタクトが取れるようになり
そして、昨夜。


お礼を、言われた。
あの頃、あのエアメールのやり取りがあったから
知らないところでもがんばれたんだ、って。
毎日スクールバスを降りて玄関に入って
一番にすることが
日本から手紙が来てるかのチェックだったんだよ、って。


びっくりした。
彼女は人気があったから
やり取りしてる子はたくさんいると思ってたし
何より凛としてて強くて
海外の生活も積極的に馴染み、楽しんでると思ってた。
ホントは
根っこごと引き剥がされて
全く別の場所にポン、って置かれて
今日からここに咲きなさい、
って言われた感じだっただなんて。
そのあとも
自分のソウルタウンがどこだかわからなくて
苦しんだり、辛かったりしてたなんて。


なのに、彼女はとても大きな仕事をしてきた。
20年以上も、闘ってきた。
会って、そんなあれこれの話ができて
本当に良かった。宝物の時間だった。


話をしてみて確認したのは
私達の中学時代って
本当に楽しくて幸せな時間だった、ということ。
私はもしかしたら
それがあったから今があるのかもしれない、
くらいに。
渦中にいるときは
もちろん悩みもあったし不安もあった。
それでも
友達がいて夢があって
周りを取り囲む若い先生方がいた。
校則は厳しくて
ピンクの靴下を履いて追いかけられたりしたけど
不自由な中に
キラキラした自由があった。
それはもしかしたら
自由な今の時代よりもむしろ
かけがえのないものだったかもしれない。


同級生って
本当にすごいと思う。


あっという間にそのトキに戻れる。
存在自体が
タイムマシンなんだ。


そして私は
このタイムマシンをたくさん持っている。
それはめちゃくちゃ
リッチな、幸せなことだと思う。