最後の体育祭

終わった。
心配された雨は閉会式まで待ってくれた。
インフルエンザで学年毎になってしまった一年時、前日の雨を掻き出すためにぞうきんやスポンジで作業してから始めた二年時。
三年生にとっては最初で最後の「ちゃんとした普通の」体育祭だった。

赤組は弱かった。
学年内でもウチのクラスは多分ブービー賞。


なのに、ずっと楽しそうだったみんなの顔を見ることができたから、
弱かったのに正々堂々としてたみんなが誇らしかったから、
終わったあとの学活で泣きそうになってしまった。



「こんなに素敵な体育祭を作ったみんなと、あと少ししか一緒にいられないんだなぁと思ったら泣けてきた。」


選手宣誓も実行委員長のコトバも閉会の言葉も
すごくすてきだったの。
震災のことや
この三年間のいろいろなことや
あとに続いていく後輩への思いや。

そんな体育祭は初めてだったから
本当にうれしかった。


みんなに「ありがとう」って言った。